建替えなどを理由にマンションやアパートから退去を求められたらどうするか? 

1.管理会社からこういうお知らせが入っていたら 

賃貸住宅に住んでいると、管理会社から、「建て替えのため、今後賃貸借契約の更新はせず今回で終了とさせていただくことになりました。つきましては、令和〇年〇月〇日までに退去してください」というような文書が届くことがあると思います。このような場合、従うしかないのでしょうか?  

もし、引っ越ししないといけないとすると、引っ越し業者に支払う費用が掛かるし、新しい物件の初期費用(敷金など)を用意しないといけない、また、同じ値段で借りることができる物件が近くにあるかわからない、ということで困ってしまうと思います。 

実際の所、そのような場合、たとえ、建物全体の建て替えが理由であっても、必ずしも無条件に出ていく必要はありません。なぜなら、所有者側からの契約解除には、「正当事由」が必要だからです。正当事由は、所有者側が建物を必要とする事情、賃借人が今後も借り続けることを必要とする事情、これまでの経緯、立退料提供の有無や金額、などにより判断されます。 

*ただし、定期借家契約が有効に成立している場合は別です。もっとも、契約書のタイトルが定期借家となっていても実は通常の賃貸借契約の場合もあります。 

マンションやアパートの場合、所有者側が建て替えをしたいから、というだけの理由で正当事由があるとされることはほとんどなく、基本的に立退料の提供が必要と考えられています。逆にいうと、借りている側は、立退料を支払ってくれないなら退去しない、と言って交渉することができるわけです。また、所有者側から金額の提示があったとしても、その金額に不満があれば、交渉することもできます。 

2.更新拒絶の他に立退料が問題となるパターン 

更新拒絶の他に、期限を区切って退去を求める通知もあります。これは、建物賃貸借が期限の定めがない場合に行われるもので、6か月前に伝える必要がありますが(借地借家法27条1項)、この場合も同様に正当事由が必要です。 

なお、期間が定められているのに期間の途中で大家さん側から一方的に契約を解除することは原則としてできません。ただ、契約書に特約がある場合は正当事由があれば認めるとする立場も有力です。 

3.金額算定の方法 

では、立退料の正当な金額はどのようにして算定するのでしょうか? 

これは、引っ越しにかかる費用、新しい物件の初期費用、家賃の差額、などを考慮して決めることになります。それゆえ、一概には言えません。個別に計算して、交渉することとなります。 

住居用物件の場合、建て替えを必要とする事情(例えば建物の老朽化で危険な状態なのか、など)、賃借人側の事情(高齢や障害があるなどで引っ越しが困難などの事情があると高くなりがちです)、従来の家賃や周辺の家賃相場、引っ越しのコスト、などが考慮されます。 

4.まずは弁護士にご相談を 

本来退去する必要がないのに慌てて退去してしまったり、十分な立ち退き料を請求せずに自費で引っ越し代等をまかなってしまうと、本来は大家さん側の都合なのに損をすることになりかねません。また、大家さん側からの提案があったとしても、その金額が客観的にみて充分なものとも限りません。 

それゆえ、建物の建て替え等でマンションやアパートから退去を求められたときは、まずは弁護士にご相談ください。多摩中央法律事務所では、立退料の請求は初回1時間まで無料です。 

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042-512-8774(電話受付平日・日曜10:00~19:00/日曜は電話受付休止の場合もあります)

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